母の日を前に

2006年5月13日
今日の駅での出来事なぞ。

……

今日、バス停でバスが来るのを待っていたら、子供連れの夫婦が駅の改札に向かって歩いていた。
で、子供(男の子。推定6歳)はその若さからくる活力を持て余しているようで、雨空にも関わらず元気に駅構内を大きな声を上げながら走り回っていた。


次の瞬間。

「すってーーーん!!!」と、周りにいる人が一斉に注目するぐらい大きな音を立ててその子供が駅構内のアスファルトで転んでしまった。


一瞬訪れる静けさ。

事の大きさと後からじわりじわりと押し寄せる痛みに耐え切れず、今にも泣きそうな顔をしている男の子。


で、次の瞬間。
すっと子供の眼下にしゃがみ込んだお父さんが子供に何か一言二言声を掛け(遠めだったので聞き取れず)、優しく子供の頭をなでた。

すかさずいつもの表情に戻る男の子。
しかし自分のした行為に懲りたようで、恥ずかしそうにお父さんの手を握りながら、うつむき加減で歩幅を揃えて改札の方へと向かって言った。
その様子を見ながら、満足そうな表情を浮かべ、穏やかな笑顔をしたまま子供の手を取り歩き出すお父さん。



子供に何と言ったまではわからないのだけど、その瞬間、お父さんが物凄くカッコ良く思えた瞬間でした。



「母性」という言葉があるのだとしたら、確実に「父性」という言葉もあるわけで。
そういう、「父性」を兼ね備えた男の人はマジでカッコいいなぁ、と、最近常々思う。

実際そのお父さんはさ、少しパツパツ気味のジーンズにチェックのシャツをベルトインしちゃうような格好で歩いてたんだけど、その立ち振る舞いは駅で一番カッコよくて。



この間も、地元の連中と飲んだ時。
一人の級友が自分の子供を連れて来てたんだけど。

昔は悪くてどうしようもなかったそいつが、お父さんをやってる時の顔はどこまでも穏やかで、誇らしげで、カッコよくて。
三十路を前にして腹とか出てきちゃってるけど、そういう外見に表れないカッコよさを身に付けていて。
そんな姿が、俺にはとてもまぶしく思えて。



道を歩いてると、たまにバッチリ化粧を決めた若いお母さんが、ギャーギャー泣き叫ぶ子供を放置しながらしかめっ面で歩いてたりするけど。
いくら化粧で完全武装しても、そういう時の顔は世界で一番ブサイクだぞ!とそのお母さんに言ってやりたいぐらいで。

子供は泣くものだから、泣き叫ぶのは構わないけど。
それを放置したり、叱り飛ばすのは何か違うなぁといつも思う。

「公衆の面前で泣き叫ぶ我が子を連れて歩くのは恥ずかしい。我が子が情けない」とか考えてるのだとしたら、大きな間違いで。
子供が間違ったことをするのは当たり前なんだから、それにどう向き合っていくのかを考えるのが親でしょ?っていう。
責任取れ!とかは言いたくないけど、もちっと子供と向き合ってあげなよ、と思うこともしばしばです。



GUCCIやPRADAが束になっても、内面から出る人間性にはかなわない。
いくらブランド物で着飾ったところで、その人が持つ内面性や人間性は、見る側からしたら全部筒抜けなわけで。

まぁ父性のかけらも身についてない俺が言うのも何だけど(汗)
そういう意味では、おしゃれに気を使う、とかいうレベルじゃなくて、もっと外見に気を使わないとなぁ、と、世界一カッコいいお父さんの背中を眺めながら考えた次第です。

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