リスク

何かを得るためには、同時に何かを失わなければならない。

何か欲しいものがある時、それを買うためにバイトをしたとする。
この時、そのバイトに充てた時間は「欲しいもの」を手に入れるために失ったものと言えるだろう。
また、稼いだバイト代をその欲しいものにつぎ込んだ時、バイト代は欲しいものを購入するために失ったお金となる。

何かを得るためには、同時に何かを失わなければならない。
このことは当たり前のこと。
物事には常にリスクが付き纏う。何かを失うことを恐れていたら、何も得られない。

ただ、やっぱり何かを失うのは怖いし、辛い。
時々、リスクを恐れるあまりに臆病になりすぎて、動けなくなる時がある。

そんな時、俺はこう考えるようにしている。



「今これを失ったとして、この先自分に何が残るか？」



時間、お金、労力、何でもいい。
何かをする前に自分の中で、得るものと失うものを天秤にかけてしまう。

そして、その天秤がバランス取れていると判断したら。
その時は、もう覚悟を決めるだけ。
今は辛くても、その苦労がこの先得られる「何か」で補えるのなら、俺はいくらでも辛い目に会うことが出来る。
バランスが取れていないなら、やめれば良い。


「打算的」と言われるかも知れないが、後先省みずにがむしゃらに進む勇気は俺にはない。
漠然としたリスクに挑むことほど、労力を要することはない。
そして、得るもののために伴うリスクを恐れているほど、時間的余裕もない。


ただ、こういうバランス感覚って、身に付けるのに時間がかかるものだと思うし、考えたからって即実行できるようなものでもない。
そういう意味では、無鉄砲も最初の頃はアリだと思うけど。

衝動のままに突き進む行動力と決断力を持った人は、やっぱどこか輝いてるし、カッコいいなぁと思う。
俺には、そういうものがないから。