オトナ

地元のマックで朝飯を食べる。
最近のお気に入りの儀式。

2階のいつもの喫煙席へ。
お気に入りの文庫本を読みながらフィレオフィッシュをほおばる。

店にはいつも7、8人の先客。
でも、みんな赤の他人。だから互いに干渉しない。
みんな自分のお気に入りメニューを頼み、好きなように朝のひとときを過ごす。

人が全くいないがらんどうの空間、というわけではない。
それなりに人はいるけど、それぞれがマイペースに過ごしていて、交流はない。
極めて都会的な空間だけど、俺はそういう空気がなんとなく好き。
だから最近は毎朝のようにマックで過ごしてから学校へ向かう。

そんな中現れた、白Yシャツ紺ネクタイ4人組。

周りの目などお構いなし。4人とも大声で喋り立てる。
後から来た上司に店中に響く声で「おはようございます！」
かかってきた携帯電話への対応も似たようなもの。
通話口を手で塞いで極力小声で・・・なんてことはしない。何を威張っているのか知らないが、堂々と胸を張ってくわえタバコで商談。

　「それにしても阪神弱かったですねー」
　「あれ？○○さん甘いもの控えてるんじゃないんですか？」
　「コーヒーにガムシロップ入れすぎですよー」
　「次の有馬はやっぱりディープインパクト流しですか？」
　「もうキャバクラは行かないって言ってたじゃないですかー。」


・・・。



なぁ。

世間では、やれ「キレやすい子供」だの「低年齢層の犯罪の凶悪化」だの言われてるけどさ、俺から見たら大人のほうがよっぽどバカだぜ？

子供が荒れる原因をあれこれ議論するのは構わないけどさ、その前に自分の行動を省みてみようって気は起こらないのかね？

子供が悪いことするのは当たり前なんだよ。
だってあまり色んなことを知らないんだから。それを教えてやるのが大人の役目だろ？

酸いも甘いも知っている大人がやることの方が未成年者の犯罪よりよっぽど性質が悪いと思うのは俺だけか？


今の世の中、何かと個性がもてはやされて。

「自分を大切にする」「ナンバーワンよりオンリーワン」
うん。そうかも知れない。

でも、結果として「他人の心を気遣う」って気持ちが薄れつつあるんじゃないか？
「個性を大事にする」ことと「自分を甘やかす」ことを履き違えてる人があまりに多すぎる。

そりゃ他人に無関心にもなるよ。
だって、そうでもしなきゃやってられないもん。今の世の中。


とりあえず今日の俺は、お気に入りの朝の場所を理不尽に汚されたような気がして不機嫌指数マックスです。

あーやだやだ。
バカな大人にだけはなりたくねーな。マジで。